はじめてHSPという言葉に出会ったのは、私が会社で後輩を指導していたときのこと。
隣の席にいる彼女の一挙一動から、感受性豊かで疲れやすい人なのかなと思い(ここで私のアンテナも反応してたんですね)
色々調べていたところ「繊細さん(HSP)」という言葉を見つけました。
もちろんその時は、私自身は当てはまらないと思っていました。
そうこうしていたら上層部からの「なんとか彼女に一人前になってもらわなければ」という
やきもきした気持ちがどんどん私の中に入ってくる。
そして上司から
「次回彼女と面談をして甘えていてはいけないと直接言うから」というチャットが届く。やっぱりか。
HSPについて本を読んだりして勉強していた私は危機感を感じる。
そんな圧を加えたら、彼女は本来の力を出せなくなるに決まっているし、心を病む可能性もある。しかもだ、元々 うつ病を患っていてそれを克服して入社したという経緯があると、上司、自分で言っていたじゃないか笑
そこでHSPについて色々まとめた資料を提出し、病気ではないが感受性の豊かさ、人の良さがあるし、文章力もある。時間をかければこの仕事は続けられるはずだし、いずれ成果も上がる。やりようはいくらでもある。だから面談は待って欲しい。と上司に伝えた。
一旦面談は延期になったものの、おそらく上司は非繊細さん。「ああ、了解。めんどくさい新人がはいったのね」くらいしか思わなかったようだ。
一方で繊細さんである彼女もまた アンテナが鋭いので、会社が自分に何を求めているのか察する。
それに加えて、日々の腑に落ちない会社からの日報の内容、終礼の言葉、非繊細な環境・・・。でも頑張りたいと本人が言うので
大丈夫、やりたい、頑張りたいという気持ちがあるのなら、私と一緒に自分のペースを大事にしながら目標達成できるようにひとつずつやっていこう。
そんな言葉をかけながら伴走して5ヶ月ほど経っただろうか。
ある日から、後輩の顔から光が消えたのがわかった。
ああ、辞める人の顔だ。
このモードになると人は外からの意見をまったく受け入れず、信じ込んだ自分の殻に閉じこもってしまうんだよなぁ。
時短勤務にしようとか、正社員は重荷だからパートとかにしたら?とか、おそらくそういう対応をすれば、彼女の心は決壊することなかったのかもしれない。
しかし難しいことに、これまで実績を残していない彼女へのその対応を、会社が許さないというのもわかる。
どっちの気持ちもわかり、「全体調和」を試みようとする私もまた疲れていた。
どう調整しよう・・・そんなことを考えていたら、突然彼女はこなくなった。
無理もない。私が働いている職場はHSPが生きのびれる環境ではない。
会社は「突然辞めた」と判断したが、私にとっては全く「突然」ではなかったし、都度報告をしていただけに私のショックも大きかった。「だめだ、全然伝わらなかった」という感覚。
人の話を聴いてモノを書く仕事なので感受性は大いに求められるが、忙殺され、自分が大切にされていない感覚を端々で感じる。やりがいよりも疲弊が上回る、そんな職場だ。
ここ4年で20人くらいの離職があったが、HSPの離職率が高いと知っているのはきっと、この職場で私だけかもしれない。そういう人たちが退職し非繊細さん中心の職場になってから、会社の採用基準から「感受性の豊かさ」が消えた。人事担当が非繊細さんに変わったからだ。あと、生き残ったのが非繊細さんばかりだという「結果」がそうさせたとも言えるだろう。
そんな流れの中で私は1月から人事採用課の課長になってしまった。これは本当にストレス。自分の感性と、会社の非繊細枠とのをすり合わせるのが本当に疲れる。疲弊する。ため息しかでない。
(会社の判断はある意味正しいし、非繊細さんは組織の中ではメンタルも安定して活躍できるし、その結果が悪いとか、非繊細さんがわるいとかは一ミリも思っていないし、むしろ羨ましい)
じゃあ何故かくれ繊細さんの私が生き残れていて、しかも昇格しているかって?
それはHSSの部分があるからだと思う。
・好奇心が深い
・仕事はとことん調べてからやるので外さない
・相手のいわんとすることを1の発信で10受け取ることができるので上からの信頼が厚め
・はみだすことを極端に恐れるので、はみださないための努力を無意識にはんぱない量しているらしい
・周りから発信される細かい情報を受け取り、かつかけて欲しい言葉を瞬時にかけられる
・怖がりだが行動力があるので、入念な下準備をして発信し、それが認められやすい
そう、私は「おさまろう」とする努力をめっちゃしている。しかも周りにばれないように笑
いく先々の会社で馴染むためのマイルールをいくつも作ってきた
・笑顔であいさつ
・暗い顔はみせない
・いつもいきいきとしている
・マイナス発言はしない、したとしてもプラスに転換して伝える
・相手を疑わない。その発言は良心から、もしくは周りの環境がそうさせてると信じる
・相手が求めてきた仕事は1.5倍のクオリティーで仕上げる
・謙虚である
・後輩にも礼儀正しく
・・・ほかにもたくさん
感受性豊かであり、刺激を求め、新しい世界に入ってワクワクできるというのはとても贅沢な資質だと思う。
しかし一方で、周りに順応させすぎる自分がいて、「自分」って何なのか時々わからなくなるし、起き上がれなくなるくらい疲れるときもある。
それを考えると、ちゃんと自分を守り、逃げることができるHSPさんは「しっかり自分を持っている人」に見えて、私からするととても羨ましいし、尊敬する。
同じ生きづらさを抱えているかもしれないけど、HSPさんが持っているいい意味で独特の雰囲気。私はすきだなあ。
HSSが入ってくるとね、個性強いまま外に出たがって、かつみんなに「なんか違うね」っていわれると傷つくっていう。個性強いまま篭っていれば傷つくことないのにね笑
ああもうめんどくさい資質笑
HSS型HSPは全人口の6%のマイノリティ。
だからすごいとか、自慢だとかそういうことではなくて、
その6%に「居場所」があったことにほっとしている。
会社が全てではない、学校が全てではない、今まで出会った人が全てではない。
自分と同じように生きづらさを抱えている人、ありのままを分かってもらいたい人が6パーセントもいる。
そう思えたら、会社なんて狭い世界の中に求めずに、自分の人生を生きる覚悟ができる。
そんな気がしてならない。
この記事を読んだどこかの誰かが少しでも救われるのなら、ありのままを出している私も救われます。
読んでくれてありがとう。
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