「もう辞めたい」
「あの人っていつもこうだよね」
「こんな会社、入らなければよかった」
などなど、周りの人から愚痴をきかされることって多くないですか?
愚痴を聞かされる=話を聞いてくれそう=自分の味方になってくれそう
ということで、愚痴を聞かされる人には「やさしい人」や「共感力が高い人」が多いと思います。
でも、最初のうちはいいのですが、どんどん愚痴がエスカレートしてきたら、聞いている自分も辛くなってきますよね?
そんなときの対処法をまとめてみました。
もくじ
そもそも愚痴ってしまう人の心理って?
言ってもどうしようもないこと
すぐに解決しないこと
相手に対する文句や批判
などをぐちぐちぐちぐち言ってしまうのが愚痴です
愚痴ってしまうときの心の状態は極めてマイナス。
愚痴は自分の心を守るための防衛反応でもあります。
愚痴を聞いてしまう人は、きっと心のどこかで相手の気持ちが分かってしまうから、断れずに聞いてしまうんですね。
あなたは本当に優しい人です。
愚痴を言ったらすっきりする?
「愚痴を言ってすっきりした!」という経験がある人も結構いると思います。
どうしてすっきりするのかというと、
・内なる思いを言語化することで、自分の気持ちを明確化できる
・それを聞いてもらい、肯定してもらえることで、承認欲求が満たされる
・承認される=自分は間違っていない と捉えてもらえることで安心できる
からでしょう。
たまにはそれでもいいかもしれません。
しかし問題は、相手に愚痴を受け入れてもらえなかったとき。
ただでさえ心がぎりぎりの状態で愚痴を言うに至っているのに、そこで拒まれてしまったらさらにマイナスの方向に進むでしょう。
そして愚痴を聞くほうも、せめて相手が「すっきりした!」と喜んでくれればいいのですが、後味わるく終わってしまったときの残念感といったらないと思います。
人間は誰かが味わっている感情(怒り、悲しみ、幸せなど)を理解すると、脳がその人が味わったのと同じ感情を想像しようとします。脳内では同じシナプスをつなげようとして、観察している感情に関連付けされます。これが、基本的に共感と呼ばれ、群集心理と言われるものです。音楽のフェスで味わう幸福感の共有も同じようなものであり、いつも愚痴ばかりこぼしている友だちと、バーで過ごすのも同じことです。
愚痴を聞いていい気分がしないのには、脳科学的にも根拠があるみたいです。
愚痴を聞いてしんどくなったときの対処法
脳は主語を判断できません。
たとえば
「後輩の●●さん、言うこと聞いてくれない。ほんとムカつく、辞めちゃえばいいのに」
という言葉を脳は
「言うこと聞かない」「ムカつく」「辞めればいいのに」と認識するため
無意識にその言葉を「自分が言われている」と判断してしまうのだとか。
自分が面と向かって言われているのだとしたら、そのストレスが自分にとってどれほど悪影響かわかりますよね?
「ききたくない!」と面と向かって言えればいいのですが、なかなかそうも行かない。
そんなときは、さらに上をいって、潜在意識を書き換えてしまいましょう。
「ムカつく」「辞めればいいのに」という言葉を聞くことで、
私はこの人を幸せにしている!助けている、いいことをしている!<と繰り返し考えることで、いくらか自分の心にバリアができて悪影響を最小限に留められるはずです。
愚痴を言われたときの対応をマニュアル化しておく
言われるがままに愚痴をきき、自分の軸がずれるようであれば、心身共に悪影響を受けてしまうのは必至です。
「あ、これ今愚痴聞かされてる」と思ったら、マニュアル通りに対応することで影響を最小限に押さえましょう。
1、相手の気持ちに共感する
愚痴をいう相手は「わかってほしい」「味方になってほしい」「自分の考えを認めてほしい」と思っています。
ここで相手に 「アドバイス」や「解決策」を提示してしまうと、わかってほしい、認めてほしいスイッチが入り、さらに愚痴が激しくなるので注意しましょう。
まずは聞いてあげること。「そうだよね」「大変だったね」「それは辛いね」という相槌を ひたすら打ち、相手が落ち着くのを待ちます。
ひと通り愚痴を聞き、相手が「この人は分かってくれる」と認識し、心に余裕が生まれたら次の段階です。
2、事実と思い込みのギャップを埋めていく
愚痴を言う人はストレスで心に余裕がない状態です。
心に余裕がないと視野が格段に狭くなって「あの人はいつもこうだ」「絶対こう思っているに違いない」という判断に陥りがちです。
例えば「後輩がいつも言うことを聞いてくれない」という愚痴だとしたら
事実は「後輩が指示通りに遂行しなかった」
思い込みは「いつも従わない」「部下は必ず指示に従うもの」
にあたります。
ゆっくり話を聞くことで心に余裕がうまれると、「なにか事情があったのかもしれない」とか「いつも従わないわけじゃない」という思い込みに気づくことができます。
話の中で「わるい人じゃないと思うんだけど」というキーワードが出てきたらこの段階に入っています。
3、相手がどうしたいのかを相手に気づかせる
相手の立場にたって、話をじっくり聞くことができれば「後輩がいつも言うことを聞いてくれない」の愚痴の奥にある本当の気持ちが少し見えてきます。
後輩自身が今後困らないようにしてあげたい
とか
後輩の成長を応援したい
とか。
それを相槌を打ってる風にさりげなく相手に伝えてあげます。
「もっと仕事ができるようになってほしいんだね」「困らないようにいつも気遣ってあげてるんだね」
とか。
相手がその言葉にしっくり来たなら「そうなの、そうしてあげたいといつも思ってるの」など、前向きな言葉が出てくるようになるはずです。
そこまできたら、具体的にどんなことができるかを一緒に考えます。
たとえば
「その時指示を聞けなかった理由があるのかもしれない」→「どういうときにそういう状況になるのか見てあげる」→「ちゃんと指示をきける環境をつくる」
みたいな感じで、建設的な解決策を考えることができるようになります。
相手がこの経験をできれば、次は愚痴ではなく「どうしたらいいか」の相談をしてくれるようになるはずです。
ときには愚痴から逃げてもいい
愚痴を聞いていて「苦痛だな」と感じるのは「自分に余裕がない」というサインです。
自分に余裕がないときなんていくらでもあります。
そんなときに相手を受け入れる、相手を認める、ひたすら話を聞くというのは悪いストレスであり、逆に相手を傷つけてしまいかねません。
そんなときは断ることも大切です。
相手が嫌いだからじゃなくて、相手と自分を守りたいから今はことわる。
「今はちょっと厳しい、今度時間をつくってきくね!」
と提案することで、お互いが少しでもダメージを受けないように対処していきましょう。
まとめ
愚痴や不満からは何も生まれないとよく聞きますが、その言葉の奥に重要なメッセージが隠されていることもよくあります。
たとえ最初は愚痴でも、話していくうちに気づきがうまれることだってあります。
でも、その時寄り添う余裕がなければ愚痴はミュートするべきです。
しんどいと感じたら、逃げる。自分で自分を守っていきましょう。
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